東京都心でも8センチの積雪を記録し大荒れとなった今年の成人の日は、国内線500便以上が欠航するなど交通も乱れ、コンビニに品物が届かないなど、物流も大混乱となった。
そんな大雪のなか通常以上に「儲かった」業界がある。それが着物の着付けだ。式が終わった後に晴れ着でデートするカップルが例年多いが、今年は式が終わる頃には都内でも雪が積もり、歩くのも一苦労。早々とラブホテルに「避難」したカップルも多かったという。
「夕方の比較的早い時間から、着物を着たカップルがチェックインしていました」(渋谷区円山町にあるラブホテル従業員)
避難したはいいが、問題なのはコトをいたした後。はだけた着物が転がっているが、着替えを持ち合わせていないし、自分で着付けなどしたこともない……そこで泣きついた先は、出張着付けを行なう美容院などの業者だった。
着付けを行なった業者はこういう。
「ホテルのフロントから電話をしてきた女の子もいました。式は午前中や昼が多く、着付けのピークは通常朝方です。ところが、今年は夕方からもたくさん依頼がありました。出張着付けは基本的に予約制なのですが、状況が状況なので、場所が近く、手が空いていた場合は対応いたしました」
業者も大雪の影響で到着が遅れ、こんな光景も見られたという。
「待っている間にまたムラムラしたのか、部屋に到着すると、男女とも息を切らしていたということもありました」(前出・着付け業者)
着付けのピークは午前中なので、大雪の影響もなくキャンセルはほとんどなかったという。加えて夕方からの対応に追われ、営業時間を普段よりも延長した業者もあり、今年は思わぬ「特需」だったようだ。
乱れた着物を直し家に戻り、何食わぬ顔をして家族と記念写真に納まる娘たち。知らぬは親ばかり、なのかもしれない。
※週刊ポスト2013年2月1日号