1月5日の東京・築地市場の初競りで、222kgの青森・大間産マグロが、史上最高額となる1億5540万円の値をつけた。今や世界のマグロの4分の1を消費する“マグロ民族”ならでは話題ともいえる。マグロはこれほど身近にもかかわらず、その生態は知られていないことも多い。『マグロはおもしろい 美味のひみつ、生き様のなぞ』(講談社文庫)の著者で、東京大学大気海洋研究所准教授の北川貴士さんがマグロにまつわるトリビアを4つ紹介する。
【止まっても死なない】
「マグロは『止まると死ぬ』といわれますが、海では常に潮が流れていて、止まっていられるような状況にないだけ。実際のところは、夜間などは速度を落として休息していますし、止まってもすぐに死ぬというわけではありません」
【時速160kmで泳がない】
「8000kmにも及ぶ太平洋を横断することから、マグロは時速160kmで泳ぐといわれます。しかし実際の海洋回遊中は、時速4~8kmぐらいでゆっくりと泳いでいます。エサを捕るときや外敵から逃れるときだけそれ以上の速度で泳ぎます」
【約1000万粒以上産卵する】
「体長250cmにもなると、1産卵期で2500万~3000万粒も産みます。サケは3000粒ほどしか産まないことを考えると非常に多いでしょう」
【寿命は20才以上】
「マグロは1才で体長50cm、体重3kg程度、10才で210cm、200kg程度まで成長します。したがって初競りで値がついた222kgのマグロは優に10才は超えています。寿命は20才以上と考えられていますが、詳細はわかっていません」
※女性セブン2013年1月31日号