昨年12月上旬、行方不明となっていたファンドマネジャーの霜見誠さん(享年51)と妻・美重さん(享年48)とみられる遺体が発見された事件で、41才の男と43才の男が死体遺棄の疑いで逮捕された。
被害者である誠さんは宮崎県で生まれ、熊本県内の大学を卒業後の1984年、証券会社に入社。25才のときに同僚だった美重さんと職場結婚をする。子供には恵まれなかったが、愛犬とともに幸せな家庭を築いた。同社に勤務中は国際部門に所属して海外投資家向けの株の斡旋などを担当した。
1995年ごろに独立してファンド会社を設立、日本企業の株を海外投資家に売って巨額の利益を上げたという。
「銀行の手数料が低いスイスを拠点としてファンドマネジャーとして活動し、200億から300億円のお金を動かしていました。パソコン1台と携帯3台を持っていて、いつも忙しそうにしていました。“年収は5億円ぐらい”と語っていましたね」(誠さんの知人)
巨額の富を手に入れられるファンドマネジャーとは、いったいどんな仕事なのか。
「不特定多数の人から資産を預かり、それで土地、債権を購入して運用して、大きな利益を上げて、その利益分の数%を報酬としてもらうという仕事です。この世界ではトゥー・トゥエンティ(2・20)という言葉があって、まず顧客から資産を預かった時点で2%の報酬をもらい、それから利益が上がった分の20%を成功報酬としてもらうことができる。
ですから200億円動かしていれば、仕事を受けた時点で4億円を手にできるんです。その代わり、投資が裏金のマネーロンダリングに利用される可能性などもあり、リスクは高いのです」(ジャーナリスト・大谷昭宏氏)
巨額のマネーが動く背後には、大きな危険が潜んでいるということか…。
※女性セブン2013年2月14日号