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65歳定年制 5年多く働いても生涯賃金900万円しか増えぬ例も

 4月から施行される65歳定年制(雇用延長義務づけ)導入で企業の賃金体系見直しが進んでいる。三菱電機などが採用しているのが「定年年齢選択型給料」だ。
 
 社員は55歳の春、会社からサラリーマン人生の大きな決断を求められる。〈給料は現状維持のまま60歳で退職するか、それとも給料ダウンで65歳まで働くか〉──というものだ。

  前者の60歳定年を選択すれば、本社勤務のままで給料はカットされないが、雇用延長(再雇用)はない。後者を選べば、56歳で早期退職して子会社に再雇用され、給料(本給)が2割カット、60歳以降はさらに5割に減らされる。年収600万円の55歳サラリーマンの場合、前者を選ぶと、56歳から60歳までの5年間の総額で3000万円になる。

 一方、後者を選択すると、65歳までの10年間の総額は3900万円だ。5年間多く働いても生涯賃金の差はわずか900万円にすぎない。
 
「60歳で退職する人も、65歳まで雇用延長する人も生涯賃金は基本的に変わらないという考えです」と三菱電機広報部は説明している。 

※週刊ポスト2013年2月15・22日号

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