世の中にはいくら低価格でも十分に利益が出る商品が存在する。そんな“儲けのカラクリ”を探ってみると、思わず膝を打つような仕組みがあることが判明した。
スーツの値段は下がる一方で、1着1万円を切るものまで登場している。
「9900円という価格設定が可能なのは、全国チェーン店ならではの大量生産、大量販売だからこそ。生地や縫製の大量発注でコストを大幅に下げている。
さらに中国の工場の暇な時期に作業をさせて、工賃を繁忙期より2割安くするといった工夫も。最近では、中国よりも人件費の安いベトナムやペルーなどからの輸入も増えている」(業界関係者)
店頭での人件費や運送コストなどを含めると利益は1着あたり1400円ほどだという。一方で、「2着目は半額」にしている店も。
「例えば3万円のスーツの場合、サイズ合わせや見立てのためにメジャーを持った従業員が1人の客につきっきりになるので、人件費がかさむ。同時に2着買ってもらえれば人件費が発生しないので、半額にしても、その分利益が上がる計算になる」(前出・業界関係者)
※週刊ポスト2013年2月15・22日号