加齢とともに症状が表れる老眼。誰もがいつかは“老眼鏡”のお世話になるときがやってくるが、どのように選んだらよいのだろうか? みさき眼科クリニックの石岡みさき先生と細川眼科クリニックの細川可奈先生に聞いた。
まず、気になるのが駅の売店などにあるものを適当に買っていいのかという点だ。これについて二人はこう語る。
「既成の安い老眼鏡は、左右の度数が同じ。左右の視力が同じ人はめったにいませんし、視力に合った度でないと見にくいのです。緊急時以外は買わないで」(細川先生)。
「自分のサイズに合う眼鏡が理想ですが、既製品では無理。レンズの中心と黒目の位置がずれていると見えづらく、顔幅に合わないとかけ心地が悪いですよ」(石岡先生)
そして、近視眼鏡・コンタクトなどと併用するにはどうすればいいのだろうか。
「用途に合わせて使い分けると便利です。私は仕事で近くを見ることの方が多いので、弱めの度の近視用コンタクトレンズを装着し、瓶のラベル貼りなど細かい作業時は上から老眼鏡をかけています。空港などで遠くも見たい時には、適正な度の眼鏡を単独で使います。別に持つ眼鏡など、病院で用途を相談しながら作ってください」(細川先生)
今や多くの人が視力矯正のために行うレーシックだが、老眼でもレーシックの施術をすれば老眼鏡は不要では? と思われるかもしれないが、それについてはどうだろうか。
「近視に悩む人にとって、レーシック手術は魅力的。ですが、40代以上の患者さんには、“老眼の症状が出たときに手もとが見えにくくなりますが、それでもやりますか?”と聞いています。近くを見ることが多い人には、あまりおすすめできません」(石岡先生)
※女性セブン2013年2月21日号