今年の花粉飛散量は東日本で前年比7倍との予想もあるが、花粉症の発症や悪化を防ぐために、私たちが今すぐ行なえる対策は何か。
「まずは普段の生活習慣を見直すこと」というのはNPO法人「花粉情報協会」事務局長の佐橋紀男氏だ。
「お酒やタバコ、暴飲暴食は度を越すと体の免疫力が落ち、風邪など体調を崩しやすくなります。そうなると目や鼻の粘膜が腫れて花粉が付着しやすくなってしまうので、いずれもほどほどにしてください」
食事や食べ物にも予防効果を期待できるものがある。日本医科大学教授の大久保公裕氏はこう話す。
「お茶や野菜に含まれるポリフェノールには抗酸化作用で炎症を抑える作用があり、ヨーグルトの乳酸菌は腸内環境を改善して免疫機能を高める働きがあるので、一定の効果があると考えられています。ただし、症状の緩和が期待されるだけで、鼻水が止まることはありません」
服装にも注意が必要だ。ウールや毛皮は花粉が付着しやすい傾向があるので、外出の際はセーターや毛皮のコートではなく、花粉が付着しにくいポリエステル製のものを選ぶといい。
室内環境でも、乾燥対策は欠かせない。
「空気清浄機よりも加湿器がお勧めです。花粉についた微粒子は乾燥していると浮遊しやすく、湿度を高めることで、花粉や微粒子を床下に落としてしまえるからです」(佐橋氏)
また、もはや花粉対策の“定番コンビ”といえる「メガネ&マスク」は地味ながらやはり効果が高い自衛策だという。前出・大久保氏の調査によると、「マスク・メガネなし」と「花粉予防用マスク・メガネあり」の人の鼻内花粉数を比べたところ、前者1848個に対し、後者は304個と、実に6分の1まで減少させる効果があった。
※週刊ポスト2013年2月15・22日号