ビジネス

バブル初期に突入の日本 さらなるバブルが到来と専門家予測

 日本国内だけを見れば2013年早々、円安を要因に金が買われた。しかし、為替相場で金取引に飛びつくのではなく、世界情勢を見ながら金保有の選択を考えるべきだと、シンクタンク代表の原田武夫氏は分析する。

 * * *
 今年はひとつ懸念材料がある。中東戦争だ。イランの核開発を阻止するため、早ければ2月の終わりか3月にはイスラエルがイランを攻撃するとも言われている。

「有事の金」と思うかもしれないが、そうではない。中東戦争によって、原油高騰という別のファクターによって急激なインフレになり、金利が引き上げられて、逆に金価格は下がる可能性が高い。むしろ資産の安全な避難先として日本が選ばれる。結果、円安はストップし、再び円高に転じる。

 世界の投資銀行やヘッジファンドという「越境する投資家」の動きは重要だ。金というのは金利のつかない商品だ。だから、他に投資する対象が出てくれば、資金は他に流れる。欧米は金融メルトダウンですでに資金が逃げ出している。そこで、欧米の投資家が注目しているのが日本なのである。日本はすでにバブルの初期段階に突入しているが、これからさらなるバブルが到来する。

 もっとも安倍政権がバブルを引き起こしたと考えるのは誤りだ。むしろ主導しているのは財務省だ。巨額の財政赤字の削減を目指し財務省は既に株・不動産など政府資産売却を始めている。そして、それを見越して、優良資産を手に入れようと欧米の投資家が資金を「ジャパン・シフト」するため、海外の豊富なマネーが日本に流入してくる。つまり、金よりも日本への投資が優先されることになる。

 一方、米欧がインフレ懸念から早々に金利を引き上げれば、金価格は暴落する。日本で政府保有資産を購入・転売して利益を出した後は、投資家は一転して日本売りを始めるだろう。早ければ来年半ばころには、そうした資本の逃避が始まる危険がある。「日本バブル」後に果たして金にマネーが戻るか否か、さらに目が離せない展開となるはずだ。

※SAPIO2013年3月号

関連記事

トピックス

広末涼子容疑者(写真は2023年12月)と事故現場
《広末涼子が逮捕》「グシャグシャの黒いジープが…」トラック追突事故の目撃者が証言した「緊迫の事故現場」、事故直後の不審な動き“立ったり座ったりはみ出しそうになったり”
NEWSポストセブン
北極域研究船の命名・進水式に出席した愛子さま(時事通信フォト)
「本番前のリハーサルで斧を手にして“重いですね”」愛子さまご公務の入念な下準備と器用な手さばき
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者(2023年12月撮影)
【広末涼子容疑者が追突事故】「フワーッと交差点に入る」関係者が語った“危なっかしい運転”《15年前にも「追突」の事故歴》
NEWSポストセブン
広末涼子容疑者(時事通信フォト)と事故現場
「全車線に破片が…」広末涼子逮捕の裏で起きていた新東名の異様な光景「3kmが40分の大渋滞」【パニック状態で傷害の現行犯】
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《中山美穂さん死後4カ月》辻仁成が元妻の誕生日に投稿していた「38文字」の想い…最後の“ワイルド恋人”が今も背負う「彼女の名前」
NEWSポストセブン
広末涼子(時事通信フォト)
【広末涼子容疑者が逮捕、活動自粛発表】「とってもとっても大スキよ…」台湾フェスで歌声披露して喝采浴びたばかりなのに… 看護師女性に蹴り、傷害容疑
NEWSポストセブン
山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン