中国の温家宝首相の娘婿が中国の金融・銀行業界の総元締め的な官庁である中国銀行管理監督協会では、40歳と最も若い局長級幹部で将来的には中央銀行である中国人民銀行総裁の有力候補と目されているという。ニュースサイト「博訊(ボシュン)」が報じた。
温首相の娘婿は劉春航氏で、現在は同協会の研究局長兼統計部長。劉氏はハーバード大学ビジネススクールでMBA(経営学修士)を取得したあと、ケンブリッジ大学で金融関係の博士課程を修了。ハーバード大学時代、同大に留学していた温首相の長女と知り合い結婚した。
博士課程を修了後、米モルガンスタンレーとマッキンゼーで働き、2006年に北京に戻り、同協会に就職。2年後には統計部副部長を務め、2010年に現職に就くというサラブレッドで、エリートコースをまっしぐらだ。
「金融・財政が専門だけに、岳父の温首相から金融政策についてアドバイスを求められることも多く、同協会でも劉氏の存在は別格扱いで、同協会の劉明康会長も一目置いている」と北京の政府関係者は語っている。
しかし、その温首相も今年3月の全国人民代表大会(全人代=国会)で引退することが決まっており、「温首相の七光りが通じなくなる。『エリート特有の高慢さと冷たさが鼻につく』との悪評もあり、真価を問われるのはこれからだ」との冷めた見方も出ている。