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【日本株週間見通し】TPP参加に前向きなら一段高の可能性も

 投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の2月18日~2月22日の動きを振り返りつつ、2月25日~3月1日の相場見通しを解説する。

 * * *
 先週の日経平均は上昇。主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、日本が円安を誘導しているという名指しの指摘は避けられたことで、改めて金融緩和政策への期待が高まり、週明けの日経平均は大幅に反発。プレジデンツデーによる連休明け後の米国市場では、合併報道を手掛かりにNYダウが5年4ヶ月ぶりの高値つけるなか、20日の日経平均は一時11510.52円と、2008年9月末以来の11500円を回復した。

 しかし、その後は日米首脳会談や次期日銀総裁人事を控え積極的なポジションは取りづらいなか、目先的な達成感が意識された。米国では量的緩和縮小への懸念、欧州ではイタリア総選挙を控えていることも手控え要因に。イベントを控えて商いは膨らみづらく、売買代金は連日で2兆円を下回る需給状況のなか、先物主導による商いにより値振れの大きい状況が続いた。

 今週は重要イベントの結果を受けた相場展開になるため、改めてボリュームが膨らむ可能性がある。欧州ではイタリアの総選挙が行われるが、市場の関心は日米首脳会談での安倍首相の発言と、月末に向けた次期日銀総裁人事の行方となる。

 首脳会談では環太平洋経済連携協定(TPP)への交渉参加問題が焦点の一つとなる。日本の立場へ一定の理解が得られると見込まれ、TPPの交渉参加表明へ踏み切る方向で最終調整に入ったと報じられている。参加に前向きな発言が出てくるようだと、安倍政権の外交が評価されるほか、日本の立場に理解が得られる条件付となることで、国内の反対層からも一定の理解を得ることになろう。

 各証券会社主催による機関投資家セミナーへの参加申し込みが海外投資家を中心に増えているなど、より強力な金融緩和政策への期待が大きい日本への関心は高い。公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が2013年度中に運用資産の割合を見直すとの報道も下支えとなる。日経平均は11500円でいったんは達成感が意識されるが、足元での11100~11500円の保ち合いレンジを上放れてくる可能性がありそうだ。

 また、首脳会談後に本格化する次期日銀総裁人事への行方も相場のトレンドを強める要因となろう。麻生財務相は会見で、「日銀と財務省は金融政策や経済政策の両輪」「連絡をきちんと取れることが大事で、取れる人なら財務省(出身者)でなくてもいい」との考えを示した。金融緩和に積極的でない人との見方から失望売りに繋がる可能性もあるが、政府日銀の連携強化への思惑から押し目買いのキッカケになりそうだ。

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