スポーツの試合で中韓両国が対戦すると、罵り合いの火種が絶えることがない。ジャーナリスト・金明昱氏がレポートする。
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ロンドン五輪フェンシング女子エペ個人の準決勝で、韓国のシン・アラムが最後の1秒でドイツ選手に決勝点を取られて敗れた後、判定を不服として1時間にもわたって座り込み、泣きながら抗議を続けた。このスポーツマンシップに欠ける態度には世界中で非難が沸き起こったので覚えているファンも多いだろう。
これに対して中国のネット上では、「韓国の必殺技は、負けたら審判のせいにすること」「人の判定を責めることだけはよく知っている韓国人」などの書き込みが相次いだ。
オリンピックだけではない。
サッカーのKリーグ(今年から1部は「Kリーグクラシック」に名称変更)でプレーしていた李イ鋒という元中国代表DFがいる。韓国で成功したパイオニアだが、韓国内では、「誠実さがない」「練習態度が悪い」「コンディション管理が下手」「韓国語をまったく覚えようとしない」など、“素行の悪さ”を指摘する報道が数多くあった。
この悪評が広く知られたことから、プロスポーツ界では中国人プレーヤーを敬遠する風潮が定着しつつあり、それに対する中国ファンの怒りも増幅している。
※SAPIO2013年3月号