ある極秘調査の結果に、防衛省と沖縄の在日米軍幹部は震え上がった。沖縄の米軍用地が知らぬ間に中国人に買い漁られていた。しかも、その面積はすでに全軍用地の10%以上に達しているという。
実際に防衛局の調査で中国資本とごく近い存在として名前が上がった業者に本誌は接触することができた。まずは那覇市内のある不動産会社社長を直撃した。
「たしかに旅行者だけでなく、ファンド会社、不動産関係者、政府関係者などの中国人を軍用地に案内しましたよ。多くの中国人は、嘉手納基地のそばにある展望台つきの道の駅に非常に興味を示しました。
中国資本は沖縄での不動産取得に非常に熱心で、私たちは『青い眼が去って西から黒い眼がやってきた』と表現しています。私のところでは軍用地を中国人に売ったことはありません。でも、もし売っていたとしても別に悪いことはないでしょう?」
また、中国資本による買収の動きが始まった当初、不動産業者と中国資本を仲介したのは那覇を中心に活動する華僑団体だったと、防衛省関係者がいう。
「沖縄に足がかりが少なかった中国資本は彼らのもとを頼ってきた。彼らは先祖の土地の人たちの役に立つと思って、深い考えもなく仲介したのだと思うが、結果的には中国側に利用されてしまったのではないでしょうか」(本誌取材に対して、この団体の担当者は「故郷の人たちとは交流するだけでビジネスの話はしない」と回答)
●大清水友明(ジャーナリスト)と本誌取材班
※週刊ポスト2013年3月8日号