沖縄の米軍用地が知らぬ間に中国人に買い漁られていた。しかも、その面積はすでに全軍用地の10%以上に達しているという、ある極秘調査の結果に、防衛省と沖縄の在日米軍幹部は震え上がった。このことは日中関係において重要な意味を持つ。
中国は2年半前に国防動員法を制定した。中国が他国と戦争状態になった際、人民解放軍が自国民の保護のために他国に上陸することを可能にし、さらには海外に住む中国人を含むすべての中国人が戦争に協力しなければならないという法律だ。今後さらに日中関係が悪化した場合、中国人地主の存在は、不気味な意味を帯びてくる。
国防上の懸念だけではない。軍用地の借地料には我々日本人の税金が充てられている。日本の安全保障のために使われている血税を中国資本が掠め取っているという事態も看過できない。
佐藤正久・防衛政務官が語る。
「そのような目に見えない“侵略”を防ぐためにできることは現時点ではあまりに少ない。日本には外国人土地法という外国人の土地取得に制限をかける法律があるが、戦後1度も適用されたことはない。外国人だけに規制をかけることは、憲法や現行法制度との兼ね合いから難しいという理屈だ。とはいえ、軍用地の問題には早急に手を打ちたい」
安倍首相よ、安全保障体制の強化を謳うならば、この問題から目を背けるべきではない
※週刊ポスト2013年3月8日号