夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、ご主人(45歳)が住宅メーカー勤務の奥様(46歳)。ご主人との出会いは、女友達に連れていかれた合コンでした。
* * *
5対5で、一応全員と連絡先の交換をしましたけど、主人は私の隣の女の子と「へぇ、誕生日がクリスマスイブで同じなんだ!」と盛り上がっていました。そんな主人から翌日「クリスマスイブに2人で誕生会をやろう」と電話が。隣の席に座っていた子と私は、たまたま苗字が同じで完全に主人の勘違い。その旨を話すと、「ごめん! お詫びに食事を」ということで、会ってみると、爽やかで会話もスマート、すぐに意気投合してしまいました。
ただ、結婚してからも、早とちりというか、勘違いは直らないんですよねえ。帰りが遅いので見たいテレビ番組を出勤前に録画予約していくんですが、「間違えて、以前見た再放送ドラマを録画しちゃったよ」とか、そんな事ばかり。
最近は新聞のテレビ欄に丸印をつけ、「これ、録画しておいてよ」と私に頼んで出掛けます。セクシーお姉様の壇蜜が好きみたいで、番組表に名前があると必ず丸印。ただ、今回はまた勘違いだったので録画しなかったんですが、帰宅した主人は大激怒。
「よく見てよ! 壇蜜ではなく、檀ふみ!」
「エッ? エロスの女王ではなく、エッセイストの?」
「そう。檀一雄の娘さん。録画しなかった私が悪いのね?」
それには答えず、「檀ふみもいいけど、セクシーさではなあ」とブツブツ呟くだけの主人でした。
※週刊ポスト2013年3月8日号