ロンドン五輪で日本が金メダルを4つも獲得したレスリングが五輪の中核競技から除外されたあと、各所で国際オリンピック委員会(IOC)へのロビー活動不足が原因として指摘された。
ところが、2016年のリオ五輪から正式種目となるラグビー。こちらは92年ぶりの復活だが、「決定を聞いた日本ラグビー協会の関係者はみんな首を傾げていた」(スポーツ紙記者)というほど、ロビー活動は一切なかったという。
「ラグビーはイギリス発祥で、ヨーロッパではサッカーやクリケットと並ぶ人気スポーツ。そこで、どうにか五輪種目にしたいIOC委員のヨーロッパ勢が注目したのが7人制ラグビーだった。15人制より競技人口が多く、女性競技者もいるし、発展途上国にも普及できる。何より試合時間が7分ハーフと短いので日程上の問題もない。IOCが入れたがっていたんだから、ロビー活動がなくても採用されて当然です」(前出・スポーツ紙記者)
ラグビーには縦120メートルの専用スタジアムが必要だが、IOCのご意向とあれば、そんなことはおかまいなし。レスリング関係者はうらやましい限りだろう。
※週刊ポスト2013年3月1日号