宗教学者の山折哲雄氏が『新潮45』3月号に寄稿した『皇太子殿下、ご退位なさいませ』という論文が波紋を読んでいる。
山折氏は、小泉純一郎元首相(71才)時代に設けられた「皇室典範に関する有識者会議」のヒアリングで、実際に意見を述べたこともある人物。その山折氏が皇太子さまにご退位をすすめ、さらに弟の秋篠宮さまに「譲位」してはどうかとも綴っているのだ。
山折氏と同じく「皇室典範に関する有識者会議」でヒアリングを受けた高崎経済大学・八木秀次教授は、この意見に賛同する。
「山折氏が言われている“退位”とは皇族の身分を離れるというより、“秋篠宮さまに皇位継承権を譲られてはどうか”というものだと思います。これには私も賛成です。なぜなら皇太子さまは、ご自分の家族に精神的な重きを置かれているようで、本来、皇太子として果たされるべき役割ができていないように感じるからです」
八木教授は、雅子さまが宮中祭祀に対して消極的だといわれていることも、賛同の理由として挙げている。宮中祭祀とは両陛下が最も重要なお務めと位置づける“国家や国民の安寧”をお祈りする儀式のこと。キャリアウーマンで合理主義的な考えが強いとされる雅子さまは、宮中祭祀の意義深さが理解できず苦しまれているという報道がかつて出たこともあった。
「皇族は特別な身分が与えられているわけで、そこから宮中祭祀のような特別な職務が発生するわけです。それが将来、皇后となられるかたが宮中祭祀に対して違和感を持たれているのでは、いかがなものかと思います。雅子さまが、個の部分を大切にされるのは構いませんが、公的な存在として、そういった職務を果たされないのであれば、皇室を去るしかないわけです。これは決して無理な注文だとは思わないのですが」(八木教授)
そして皇位を譲るなら一刻も早いほうがよいと八木教授は続ける。
「両陛下はご高齢ですし、皇位継承こそが、おふたりを悩ませている問題でもあります。少しでも早く秋篠宮さまに譲られれば、陛下を間近でご覧になり、将来の天皇としての自覚を養うことができます。秋篠宮さまならば、陛下の精神的・肉体的サポートが充分におできになるのではないでしょうか。そして次の天皇となられる悠仁さまにも幼いころから、帝王学を学ばせることができますから大きなメリットとなります」
では、その場合、皇太子さまはどうしたらいいのか。
「皇太子さまにも一宮家として皇室に留まっていただき、秋篠宮さまを支えていただくのが、いちばんいい形だと思います」(八木教授)
※女性セブン2013年3月14日号