箱根で今年に入って実に1700回以上、地震が起きている。箱根山噴火の前ぶれとともに、富士山噴火との関連を指摘する声も出ている。
「数年以内に富士山が噴火する」と警鐘を鳴らすのは、琉球大学名誉教授の木村政昭さんだ。木村さんは、「箱根山の地震は富士山の活動の影響を受けている」と見る。
「富士山と箱根山は地下で同じ力を受けている。今、富士山の下にはマグマがたっぷりたまっているように見えるので、箱根山はそのマグマに押される形になり、地震が頻発している可能性があります」
1983年には三宅島、1986年には伊豆大島、1989年には伊豆半島の付け根にある海底火山・手石海丘と、3年おきで噴火活動があった。
連動して起きたようにも見えるこれらの噴火の場所は皆、同じフィリピン海プレート上にある。
「実は箱根山や富士山もまた同じプレート上にあります。1989年に手石海丘で噴火が起きて以来、既に20年あまり経っています。噴火活動が南から北へと上がっており、箱根はともかく、富士山で噴火活動がいつ起きても不思議はありません」
と木村さん。箱根の地震は、富士山噴火の前ぶれというわけだ。“予兆”はこれだけではない。溶岩が噴き出す代わりに、水が噴き出す「水噴火」という噴火の前兆現象も起きている。
「噴火は地下にあるマグマがプレート活動によって押し上げられ、割れた地表で発生するものですが、水噴火で噴き出すのは地下水。しかし、火山の状況としては、噴火とメカニズム的にはあまり変わりません」(木村さん)
東日本大震災以降、富士五湖の水位が突然高くなったり、富士宮周辺で水が湧き出すなど、富士山周辺で相次いでいる現象は、水噴火と考えられるのだという。
※女性セブン2013年3月14日号