2月24日に大盛況をもって閉幕した東京マラソンのランナーがスタート前から戦わなければいけない敵が、「寒さ」だった。
スタート時間の午前9時10分時点の都庁前の気温は4度。特にこの日は風速6メートルと風が強く、体感温度はさらに低い。ランナーたちは8時半には手荷物を預け終え、軽装で寒空の下に待機しなければならない。半袖、短パン姿のランナーにとって、スタートまでの数十分は拷問のような時間だ。
中には、ビニール袋や雨合羽などで防寒対策をするランナーも多いが、問題はスタート後にそれらが用済みになること。特に雨合羽などは畳んでもかさばるため、多くの不届きなランナーはスタート直前にその場に捨てる。こうしたゴミは後から通るランナーにとっては非常に危険で、足を取られて転倒する人が毎年続出するのだ。
今年はこの“ゴミ問題”に異変が起きた。スタート時間が迫ると、大会スタッフが沿道からランナーの“ゴミ”を回収しはじめた。しかし、道路の中央側に並んでいるランナーは当然身動きが取れず、手渡しすることができない。すると、沿道に向かって次々とゴミを投げ始めた。
「ゴミが空中で失速してランナーの頭上に落下するケースもありました。捨てるにはもったいないようなウインドブレーカーを投げ捨てる人もいて、当たった人から『痛えな』とか『投げないで』と怒号が飛んでいました」(目撃したランナー)
※週刊ポスト2013年3月15日