ひな祭りをむかえ、冬眠していた虫も目覚める啓蟄(けいちつ)を過ぎれば春はすぐそこ。服装が軽くなるにつれ、お正月太りの名残で去年より大きくなったウエストや、寒さで乾燥した肌など、様々な部分が気になるもの。見た目を正すには、ダイエットやスキンケアが最優先なのかというと、実際の第一印象は「髪」に左右されているらしい。
首都圏の20代~40代の社会人を対象にした意識調査によれば、95.9%もの人が女性の第一印象を決める際に「髪」が影響していると答えている。同じ調査で、29歳の女性の髪をツヤのない状態とある状態にして、後ろ姿を撮影した写真をそれぞれ見せて想定年齢を答えてもらったところ、ツヤによって回答年齢に大きな差が出た。
同じ29歳女性の写真なのに、ツヤのない状態の髪の場合は平均回答年齢が35.3歳だったが、ツヤのある髪だと26.8歳となり、8.5歳もの年齢差が出た。男性と女性の回答に差が出なかったため、髪ツヤの状態は男女問わず見た目の年齢に大きく影響を与えることがわかった。(2013年1月 タイムカレント社調べ)
「後ろ姿の年齢を大きく左右するのは“髪”。髪にツヤがない人ほど老けて見えますね。ツヤ髪の決め手は“髪密度”にあるんです」
老けて見える原因は、髪の健康状態をあらわす“髪密度”の低下が理由だと、美容家の柳本剛さんは解説する。その理由としては大きく3つの要因があるという。
「パーマやヘアカラー、ドライヤーの熱、無理なブラッシングなどによって、髪内部の細胞が破壊されると髪密度が低下。内部が空洞化してしまうので、毛髪自体が軽くなって広がり、ツヤが失われます。ケアの基本は、髪密度を高めるシャンプーやトリートメント剤を使うこと。シャンプーはしっかりと泡だて、トリートメントは2度づけする習慣を!」(柳本さん)
柳本さんがあげた要因のうち1つ目にあげられているパーマやヘアカラー、さらに髪をくるくるとカールさせるヘアアイロンは、オシャレできれいな髪を目指しての工夫なのに、髪を傷めるもの。とくにヘアアイロンは、高熱を直接髪にあてるので、1回の使用で髪密度をかなり低下させる。使う場合は設定温度を120度以下の低温にし、一か所に長くあてないなどの気遣いが望ましい。
2つ目のドライヤーの熱には、乾かすときは20センチ以上離す工夫を。温風で9割乾かしてから冷風にするとツヤが出る。熱と並んで髪を傷める紫外線対策には、髪にも使えて白くならないUVスプレーなどを使うのもいい。
そして3つめ、無理なブラッシングによって髪に物理的なダメージを与えないこと。強引なブラッシングだけでなく、生乾きのまま寝ても枕で髪が摩耗する。これら物理的なダメージは枝毛や切れ毛の原因となるので要注意だ。
以上の3大要因を防いだら、髪密度を高めるため、もうひとつオススメするのは頭皮マッサージだ。
「頭皮は髪を生む土壌なので、マッサージで血行をよくすると、髪にも栄養が行き渡り、密度の高い健康的な髪が生えてきます。指の腹で頭皮を回すようにもむのがおすすめ」(柳本さん)
自分の指できちんとマッサージできるか不安な場合は、自宅でシャンプーしながらヘッドスパ体験ができる、頭皮エステ用の美容家電を使う方法もある。
髪密度を低下させる3大要因をクリアして美しいツヤ髪を手に入れ、2013年の春は第一印象から若々しく美しい見た目を手に入れよう。