テレビ業界といえば憧れの職業といわれているが、昨今は事情が変わっているようだ。いまや各局ともAD(アシスタント・ディレクター)不足に悩まされている。
「以前であれば、テレビ番組を作りたい人はいくらでもいたから、人材に困ることなんてなかった。でも、今は時代が変わって、とにかくADがいない」(テレビ局関係者)
AD時代のしごきに耐え、ようやくディレクターに上がった制作会社社員はこう話す。
「僕らの頃とは時代が明らかに違いますね。ADは殴られる、蹴られるなんて当たり前。だから、ほとんどのヤツが辞めていった。残るほうが珍しい世界。それでも、昔は次から次へと新しいヤツが会社に入ってきた。でも、今は1人辞めると、次を見つけるのがなかなか難しい。だからなのか、ADなどのスタッフを派遣する派遣会社は、注目を集めていますね」
だが、どの派遣会社も、AD適性の高い人材を揃えているわけではないようだ。
「韓国や中国の留学生などが派遣されてくるケースもありますね。もちろん、仕事が普通にできれば問題ないのですが、ほとんど日本語がしゃべれない韓国人留学生が派遣されてきたときは、さすがに困りました。コミュニケーションが取れないから、仕事1つ頼めない(笑い)」(前出・ディレクター)
テレビ業界の人材不足は、深刻な状態となっているようだ。