春はいろいろなものを新しくしたくなる季節。引っ越しで家具を買い替える……とまではいかなくても、部屋の模様替えなどで“リフレッシュしたい!”という人も多いだろう。予算がたくさんあるなら、輸入家具を買うとか、モデルルームみたいな部屋のコーディネイトをプロに頼むとか、いくらでも方法はあるが、普通はできるだけ安く、でもセンス良く――というのが本音。
そこでイギリスへヴィンテージアイテムを買付けに行き始めて20年、アート・ディレクションの仕事をしながら、ヴィンテージ商品の販売業も手掛ける古谷優子さんに、リーズナブルにお部屋をセンスアップするコツを教えてもらった。
「最近では賃貸住宅でも、『壁紙の変更もOK』という物件が出てきて、賃貸でも“自分らしく、こだわって暮らせる物件”が増えているようです。持ち家の場合でも、古いからといって建て替えるのではなく、親や祖父母が建てた家を上手にリノベーションして住む、若い人の話も多く聞きますね。都内では輸入壁紙の専門店なんかもありますが、まぁ壁を貼り替えるのは大変なので、もっと手軽なものを紹介したいと思います。
安くできるけれど、ハイセンスで、人と違うインテリアを実現するのにオススメなのは、アンティークの生地で簡単なパネルを自作したり、家具の引き手やドアノブなどを取り換えたりすること。海外のオークションサイトやDIYの通販ショップだと、日本にはないタイプのものが手に入ります。取っ手だけでもすごくイメージが変わるし、パーツは単価だけじゃなく送料も安く済むので、コストパフォーマンスが高いのもポイントです」(古谷さん)
パネルは生地のサイズに合った木枠――キャンバス用など、画材店で手に入るものを購入し、鋲や釘で留めれば完成。“キレイに作る自信がちょっと……”という人は、シンプルに額装するのでもいいだろう。海外オークション大手eBay(イーベイ)の日本向け公認サービスを展開する「セカイモン」では、アンティークのサブカテゴリに「織物、リネン(1930年以前)」があるだけでなく、人気の高いイギリス・アンティークのリネンや刺繍などもカテゴライズされている。価格も手頃なものが多い上、アンティークだけにもしかすると「世界に一枚だけ」という可能性も。
また「ドアノブ」を検索してみると、カラフルなクリスタル調のドアノブや、女性なら思わずテンションの上がってしまうフラワーペイントのものが、日本円で数百円から。「総額見積り計算機」で送料や関税などを加えた額をチェックしても、数千円程度ということで、家具を買い替えて部屋の印象を変えることに比べたら、かなりリーズナブル。
ちなみにドアノブやチェストの取っ手など、パーツを購入する際には、注意が必要と古谷さんは言う。
「安くてデザインが素敵なものが多いので、つい目移りして衝動買いしてしまいがち……。国内の日曜大工ショップで買う時も同じことですが、事前にサイズや仕様・規格などをきちんと確認しましょう。ちゃんと合う物を選ばないと“せっかく気に入ったのに、使えない”なんてことも。特にコンセントケースなどは、規格自体が合わないといったことがあるので、難易度が高いです。
また一時期流行ったおしゃれなタイルは今も人気ですが、意外と重くて送料がかかりがちなので、購入時に送料などもある程度わかるサイトを利用すると安心ですね」