国内

武田邦彦氏が「石油はあと8000年は大丈夫」というその根拠は

 節電意識の高まりの背景にはエネルギー問題があり、例えば石油など「あと40年で枯渇する」などといわれることも多い。ところが、中部大学教授の武田邦彦氏(工学博士)によると、「石油をいまのまま使い続けてもあと8000年は大丈夫」だという。新刊『武田教授の眠れない講義 「正しい」とは何か?』(小学館)を上梓したばかりの武田氏が解説する。

 * * *
 学者として「8000年」という根拠を説明しましょう。そもそも石油は、さまざまな生物の死骸が長い年月をかけて変化したものです。このおおもとは、炭素(C)です。46億年前に誕生した地球は、ほとんどが二酸化炭素(CO2)でした。

 その後、ラン藻類のような、二酸化炭素を体内に取り込み、炭素だけ残したまま、酸素(O2)を放出するという生物が登場しました。そのおかげで、われわれ人間のような、酸素を取り込んで呼吸する生物が誕生したというわけです。

 炭素を体内に取り込んだ生物は、通常、死ぬと体外に炭素(C)を放出するのですが、中には炭素を抱え込んだまま、死骸となって海底に埋まってしまうものがいました。これが、長い年月をかけて石油となったわけです。

 地球が誕生したときには空気の95%がCO2だったのに、二酸化炭素が減って、酸素の割合が増えたということは、それだけ炭素を抱え込んで死骸となった生物がいるということです。つまり、炭素の量を計算すれば、どれだけ石油があるか、大まかな総量がわかってしまうというわけです。

 私の計算からすると、いまのペースで消費しても、あと8000年は大丈夫なのです。

 ではなぜ「あと8000年」が「あと40年」になってしまうのでしょうか。実はカラクリがあって、「あと○年」という数字は、「いま採掘している、あるいは石油メジャーがある作戦のもとに採掘可能な石油を公表している数字、それをもとに計算すると……」ということなのです。

 故意に隠していたり(これがもっとも大きい)、新たに採掘可能な油田が見つかったり、それまで採掘が難しかったものが技術力で採掘可能になったりすると、一挙に「あと○年」が増えるのです。つまり、「あと○年」というフレーズは、石油で商売をしている石油産出国と石油メジャーにとって、都合がいいから使っているというだけなのです。

※武田邦彦/著『武田教授の眠れない講義 「正しい」とは何か?』より

関連記事

トピックス

安達祐実と元夫でカメラマンの桑島智輝氏
《ばっちりメイクで元夫のカメラマンと…》安達祐実が新恋人とのデート前日に訪れた「2人きりのランチ」“ビジュ爆デニムコーデ”の親密距離感
NEWSポストセブン
新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
《安達祐実の新恋人》「半同棲カレ」はNHKの敏腕プロデューサー「ノリに乗ってる茶髪クリエイターの一人」関係者が明かした“出会いのきっかけ”
NEWSポストセブン
イベントの“ドタキャン”が続いている米倉涼子
「押収されたブツを指さして撮影に応じ…」「ゲッソリと痩せて取り調べに通う日々」米倉涼子に“マトリがガサ入れ”報道、ドタキャン連発「空白の2か月」の真相
NEWSポストセブン
元従業員が、ガールズバーの”独特ルール”を明かした(左・飲食店紹介サイトより)
《大きい瞳で上目遣い…ガルバ写真入手》「『ブスでなにもできないくせに』と…」“美人ガルバ店員”田野和彩容疑者(21)の“陰湿イジメ”と”オラオラ営業
NEWSポストセブン
新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
《“奇跡の40代”安達祐実に半同棲の新パートナー》離婚から2年、長男と暮らす自宅から愛車でカレを勤務先に送迎…「手をフリフリ」の熱愛生活
NEWSポストセブン
明治、大正、昭和とこの国が大きく様変わりする時代を生きた香淳皇后(写真/共同通信社)
『香淳皇后実録』に見当たらない“皇太子時代の上皇と美智子さまの結婚に反対”に関する記述 「あえて削除したと見えても仕方がない」の指摘、美智子さまに宮内庁が配慮か
週刊ポスト
「ガールズメッセ2025」の式典に出席された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月19日、撮影/JMPA)
《“クッキリ”ドレスの次は…》佳子さま、ボディラインを強調しないワンピも切り替えでスタイルアップ&フェミニンな印象に
NEWSポストセブン
結婚へと大きく前進していることが明らかになった堂本光一
《堂本光一と結婚秒読み》女優・佐藤めぐみが芸能界「完全引退」は二宮和也のケースと酷似…ファンが察知していた“予兆”
NEWSポストセブン
売春防止法違反(管理売春)の疑いで逮捕された池袋のガールズバーに勤める田野和彩容疑者(21)
《GPS持たせ3か月で400人と売春強要》「店ナンバーワンのモテ店員だった」美人マネージャー・田野和彩容疑者と鬼畜店長・鈴木麻央耶容疑者の正体
NEWSポストセブン
日本サッカー協会の影山雅永元技術委員長が飛行機でわいせつな画像を見ていたとして現地で拘束された(共同通信)
「脚を広げた女性の画像など1621枚」機内で児童ポルノ閲覧で有罪判決…日本サッカー協会・影山雅永元技術委員長に現地で「日本人はやっぱロリコンか」の声
NEWSポストセブン
三笠宮家を継ぐことが決まった彬子さま(写真/共同通信社)
三笠宮家の新当主、彬子さまがエッセイで匂わせた母・信子さまとの“距離感” 公の場では顔も合わさず、言葉を交わす場面も目撃されていない母娘関係
週刊ポスト
Aさんの左手に彫られたタトゥー。
《10歳女児の身体中に刺青が…》「14歳の女子中学生に彫られた」ある児童養護施設で起きた“子供同士のトラブル” 職員は気づかず2ヶ月放置か
NEWSポストセブン