長年の不況で、パートの求人も厳しい状況が続いているかと思いきや、実はここ数か月、パート求人は着実に伸びている。
厚生労働省の統計によると、パートの新規求人倍率は昨年4月の1.14を底に上昇を続け、昨年末には2倍以上の2.45にまで達した。つまり、1年前まで求職者1人に対し1件強の求人しかなかったのが、直近では求職者の2倍以上の求人が生まれているのだ。
さらに、安倍晋三首相(58才)が推進する経済政策「アベノミクス」で景気が回復しつつあり、パートを始めるには絶好のチャンスに! アイデム・人と仕事研究所所長の平田未緒さんが言う。
「景気回復への兆しが見えてきた今、人材を補強したい企業が増えています。人件費の高い正社員よりも、まずは様子見でパートを増やそうという企業も多いようですね」
求人が増えるとともに、賃金も上昇傾向。職種別では、事務や介護ヘルパー、食品の製造などで大きく時給が伸びている。まさに、働くならいつか? 今でしょ!の状態なのだ。
家事や育児との両立、あるいは自分のキャリアアップを考えると、長く安定して働ける職場がいい。そう考える女性を応援するかのように、4月1日から労働契約法が改正される。女性の再就職に詳しい、社会保険労務士の諸星裕美さんが解説する。
「簡単に言うと、この改正により、パートは同じ会社で5年働けば、企業に“無期雇用”を約束してもらえるようになります。これまでパートで働いていたかたは、1年単位で契約を結んでいるケースが多かった。
それゆえ企業の経営が苦しくなったときには、突然、契約を打ち切られてしまうこともありましたが、これからは5年を超えて働けば突然契約が切られる不安はなくなります。5年というカウントが始まるのはこの4月1日以降の契約からが対象です」
今回の法改正を生かし、長く働きたいのなら、企業にそういった意識や体制があるかどうかを確認して仕事を選ぶこともポイントになる。
「人材教育に重点を置き、パートを長く雇いたいと考えている会社は、ホームページにもその方針が必ずにじみ出ているし、具体的な処遇も書いてあるので確認を」(平田さん)
※女性セブン2013年4月4日号