国内

『八重の桜』の長州藩描写 山口県民は受け入れ難いの意見多し

 山口県下関市に住む70代女性は、長年にわたって大河ドラマの大ファンだ。特に今年の『八重の桜』は、綾瀬はるかが「孫の嫁によう似ちょる」ということもあり、楽しみにしていた。しかし、最近では、日曜夜8時のNHKにチャンネルを合わせようとするたび、気が重くなってしまう。

「まだまだ物語は始まったばっかり。それやのに、もうすっかり長州藩は悪者扱いじゃけえね。このままやったら、戊辰戦争で会津に攻め入った長州藩は、鬼のように描かれるでしょ。ちょっと見る気がせんのよね」

 大人気の大河ドラマ『八重の桜』。初回視聴率は2年ぶりに20%超えを果たした。物語の舞台である福島県への貢献は相当なもの。日本銀行福島支店の試算によれば経済効果は「113億円」ともいわれており、震災からの復興に一役かっている。

 このドラマは、明治維新を「敗者」である会津藩の視点から描いたものだ。

 綾瀬演じる山本八重の故郷・会津藩は、旧幕府勢力の中核と見なされ、長州藩・薩摩藩を中心とする新政府軍の仇敵となる。

 特に、長州藩との遺恨は根深い。会津藩主・松平容保が1862年から京都守護職となり、新撰組を麾下において尊王攘夷派志士たちの徹底的な取り締まりを行なう。さらに蛤御門の変では、壮絶な市街戦の末に長州藩を敗北させ、「朝敵」へと追いやる。

 大政奉還、王政復古後に戊辰戦争が勃発すると、今度は会津藩が新政府軍から「賊軍」の汚名を受け、徹底的な弾圧にあう。19人の少年たちが自刃した「白虎隊の悲劇」に代表されるように、数多くの犠牲者を出した。

 さらに新政府軍は会津戦争における犠牲者の埋葬を禁じたため、会津の人々は家族の遺体が野に晒され、鳥や獣に食い散らかされる悲惨な状況を目の当たりにしたとされる。

 これらの遺恨はまだ根深く残っており、2007年に山口選出の安倍晋三首相(前任時)が会津若松市を訪れた際、「先輩がご迷惑をかけたことをお詫びしなければならない」と語ったほどだ。

 会津出身の本誌女性編集者は小さい頃から「長州の男との結婚だけは絶対に許さん」と言われ続けて育ったという。そんな背景もあり、『八重の桜』における長州藩の描写は、「山口県民にとっては受け入れたくないもの」(山口県萩市在住の70代男性)という意見が多い。

※週刊ポスト2013年4月5日号

関連記事

トピックス

岡田結実
《女優・岡田結実(24)結婚発表》結婚相手は高身長の一般男性 変装なしの“ペアルックデート”で見せていた笑顔
NEWSポストセブン
ウッチャンナンチャンがMCを務める番組『チャンハウス』
【スクープ】フジテレビがウンナン&出川MCのバラエティー番組で小学生発言を“ねつ造演出”疑惑 フジは「発言意図を誤解して編集」と説明、謝罪 
女性セブン
同区在住で農業を営む古橋昭彦容疑者は現行犯逮捕された
《浜松高齢ドライバー事故》「昭坊はエースピッチャーで自治会長をやっていた」小学生の列に突っ込んだ古橋昭彦容疑者(78)の人柄【小学2年生の女児が死亡】
NEWSポストセブン
くら寿司
《ピンク色の破れたゴムを…》「くら寿司」が迷惑行為に声明「厳正な対応を行う予定」実行者は謝罪連絡入れるも…吐露していた“後悔の言葉”
NEWSポストセブン
中学時代の江口容疑者と、現場となった自宅
「ガチ恋だったのかな」女子高生死体遺棄の江口真先容疑者(21) 知人が語る“陰キャだった少年時代”「昔からゲーマー。国民的アニメのカードゲームにハマってた」【愛知・一宮市】
NEWSポストセブン
巨人戦で審判の判定に抗議する中日・星野仙一監督(1999年、時事通信フォト)
“ジャンパイア”疑惑で考えるマスの傲慢 「球界の盟主・巨人」をどこまで特別扱いするかは「人類社会に共通する普遍的テーマ」である【中日ドラゴンズに学ぶ人生の教訓】
NEWSポストセブン
すき家がネズミ混入を認め全店閉店へ(左・時事通信フォト、右・HPより 写真は当該の店舗ではありません)
【こんなに汚かったのか…】全店閉店中の「すき家」現役クルーが証言「ネズミ混入で売上4割減」 各店舗に“緊急告知”した内容
NEWSポストセブン
動物言語学者・鈴木俊貴氏(左)と小説家の川上弘美氏が動物言語について語り合う
【対談】『僕には鳥の言葉がわかる』著者・鈴木俊貴氏と自らの小説に“鳥の言葉”を登場させた川上弘美氏が語り合う「動物言語が切り拓く未来の可能性」
週刊ポスト
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
X子さんフジ退社後に「ひと段落ついた感じかな」…調査報告書から見えた中居正広氏の態度《見舞金の贈与税を心配、メッセージを「見たら削除して」と要請》
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレが関東で初めてファンミーティングを開催(Instagramより)
《新メンバーの名前なし》ロコ・ソラーレ4人、初の関東ファンミーティング開催に自身も参加する代表理事・本橋麻里の「思惑」 チケットは5分で完売
NEWSポストセブン
中居氏による性暴力でフジテレビの企業体質も問われることになった(右・時事通信)
《先輩女性アナ・F氏に同情の声》「名誉回復してあげないと可哀想ではない?」アナウンス室部長として奔走“一管理職の職責を超える”心労も
NEWSポストセブン
大手寿司チェーン「くら寿司」で迷惑行為となる画像がXで拡散された(時事通信フォト)
《善悪わからんくなる》「くら寿司」で“避妊具が皿の戻し口に…”の迷惑行為、Xで拡散 くら寿司広報担当は「対応を検討中」
NEWSポストセブン