これからの行楽シーズン、お弁当を持って出かけることが何かと多くなるが、そのときに関東と関西の弁当の中身の違いに驚くことがある。
おにぎりは、関東が三角に対して、関西は俵形。
「おにぎりは戦国時代には兵糧食として重宝され、握りやすいように三角か丸い形をしていたようです。それが関東では三角形となって今に残っているようです。
一方、関西では昔から芝居見物が盛んで、幕間に食べるお弁当に詰める際、箸でとりやすくするためにも俵形になったと言われています」(地理学研究者・宇田川勝司さん)
また、のりを巻く場合、関東が焼きのりに対して、関西は味つけのりを巻くのも特徴だ。 いなり寿司では関東と関西の形は逆転。関東の俵形に対して、関西は三角。これについて京都の街おこし団体「伏見稲荷寿司ひろめ隊」の杉山大門さんはこう説明する。
「いなり寿司の発祥は江戸説、愛知説など諸説ありますが、いずれも稲荷神社の供物用に俵に見立てて、酢めしやおからをつめていたようです。
関西風は京都の伏見稲荷が発祥。きつねの耳や伏見稲荷大社のある稲荷山のかたちを模したものとされています。中身も東が白い酢めしだけなのに対して西は具にごぼうやごまを使います」
次に洋風のランチの定番、サンドイッチ。卵サンドといえばゆで卵をみじん切りにしてマヨネーズとあえるというのが東の定番だが、西の具はちょっと違う。
「関西の喫茶店で出てくる卵サンドの中身は、オムレツのような厚焼き卵が多いです」(宇田川さん)
これはゆで卵に比べて手早くおなかがいっぱいになりたいという関西人の気質からきたメニューともいわれている。
サンドイッチに使われている食パンの好みも東と西では若干の違いがある。 スーパーやコンビニの売り場を見ると東は6枚か8枚切りがほとんど。一方、西に行くと5枚切りが圧倒的に目立つ。「敷島製パン」の広報担当者は、次のように解説する。
「昨年夏の売上データでは6枚切りを好むのは関東で57%、関西で38%、8枚切りでは関東23%、関西2%でしたが、5枚切りになると関東が9%に対して関西は45%と大きな開きがありました。これは東日本がパリッとした食感を好むのに対し、関西はたこ焼きやお好み焼きなどの“コナモン文化”に代表されるようモチっとした食感が支持されているからではないでしょうか」
※女性セブン2013年4月18日号