ママ友同士の対立やいじめが陰湿さを増し、新たな「差別」にエスカレートしている。
「引っ越してきた人がいると、まずダンナさんがどんな仕事をしているのか、どれくらいお金持ちか、子供を使ってスパイするママがいる」
そう語るのは東京都内の高級住宅地に住む小学2年の男児を持つ36歳のA子さん。子供を遊びに行かせてその父親の仕事を聞き出し、家の大きさや間取りをチェックさせるというのだ。そして、自分たちのグループに入れるかを“審査”する。
夫が有名企業や外資系に勤務していたり、医師や弁護士、大学教員などなら“合格”。A子さんが続ける。
「私はグループと距離を置いていたのですが、息子が何度もママ友の家にお呼ばれしてうちの夫が医者だとわかった途端、彼女たちの態度がコロッと変わりました。お茶やホームパーティの誘いが頻繁にあるんです」
そうした例は高級住宅街に限らない。関東近郊に住むB子さん(34歳)が語る。
「同じような一軒家が並んでいる新興住宅地でも微妙な差はあるもの。外壁や門構え、庭の手入れ具合、ベビーカーの車種やペットのグレード、外食の頻度までよく観察して、暮らしぶりを判断します。
同じ経済レベルだとわかれば安心して付き合える。ファミレスでのランチ会で、節約のためか1人だけドリンクバーを注文せずに延々お水を飲んでいたママは、次回から呼ばれませんでした」
■文/大屋敷未世子(ジャーナリスト)
※SAPIO2013年4月号