4月7日、悠仁親王がお茶の水女子大附属小学校に入学された。
明治以降、皇族の子女は学習院初等科に通うのが通例であったため、初めて皇族を生徒として迎え入れる小学校側は、春休みの間も慌ただしく対応に追われた。
3月25日から5日間にわたり、低学年棟に教室と教室を隔てる木製の可動式の間仕切りを取り付ける改修工事が急ピッチで行なわれた。間仕切りには最高級の檜柾目を使った素材が使われ、もちろんシックハウス症対策も万全という。
この間仕切りには黒板が備えつけてあるが、黒板の高さは生徒の学年に合わせて5センチ刻みで設定されている。指詰め防止など、安全面でも怠りはない。
また、外部に面した教室の透明な強化ガラスには半透明のフィルムが貼られたが、これはマスコミ対策という。これらの工事にはのべ40~50人の作業員が携わり、工期は通常の半分程度という突貫改修だった。
改修にかかった予算は1400万円ほどで、この規模の改修予算としては破格。それほど学校側は悠仁親王の受け入れに注力しているということだ。
お茶の水女子大学広報チームは「低学年用の可動間仕切りが老朽化したために更新した。以前からの計画であり、老朽化、安全対策のひとつなので、殿下がご入学されるからという理由ではありません」と説明するが、皇室の未来を担う悠仁親王を預かるのだから、万全を期すのは当然だろう。
悠仁親王は、皇太子殿下、秋篠宮殿下に次いで、皇位継承権順位第3位にあたる。現在、皇位継承資格者は合わせて6人いるが、第4位の常陸宮正仁親王は77歳、第5位の三笠宮祟仁親王は97歳、第6位の桂宮宜仁親王は65歳と高齢である。加えていえば、秋篠宮以降、男子は悠仁親王ただひとりしか生まれていない。
つまり、男系男子にしか継承権を認めていない現行の皇室典範のもとでは、将来、悠仁親王が唯一の皇位継承者となる可能性もある。
万全が求められるのは、安全面ばかりではない。将来、国民の「象徴」である天皇となるために、どんな教育を身につけるか。人格形成においても大切な時期を迎える。
※週刊ポスト2013年4月19日号