日本の自衛隊では、毎年行なう身上調査で、配偶者の国籍を問うているが、最新の調査では、800人が外国人の配偶者を持つという結果が出ているという。その7割にあたる約600人が中国人で、ほかフィリピンや韓国出身者などが上位を占めるという。
国防に関する秘密情報などの漏洩について心配せざるをえない状況だ。 防衛省関係者によれば、こうした自衛隊員の事情を踏まえたうえで、彼らをターゲットにした工作を未然に防ぐため、自衛隊員の遊興場所も継続的に監視しているという。
その一つがイージス艦「機密情報流出」騒動がおきた海上自衛隊司令部をもつ横須賀基地周辺。戦前から軍港街として栄え、現在もスナックや風俗店が入る雑居ビルが立ち並ぶ。その一角にある中国人スナックに入ってみた。
中国風の置物や壁掛けで飾りたてられた店内は、一見、高級中華料理店風だが、低いテーブルやソファはスナックのそれ。若干の違和感をおぼえつつ席につくと、店の奥のほうからチャイナドレスを着たスレンダーな美女が現われた。聞けば福建省出身で、27歳だという。来日2年目というが、操る日本語は流暢だった。
「お客さんは自衛隊の人、多いデスよ。とくに船が入港すると、店は“船の人(自衛隊の艦船の乗組員のこと)”でいっぱいになりマス。
ワタシ、ディズニーランドに連れていってもらったこともあります。自衛隊のヒト、いい人ばかり。ワタシ、大好きデス」
女性はそういって笑みを浮かべた。日本のキャバクラなら「飲み物頼んでいい?」とせがまれるが、彼女たちは客の懐具合を気にして、「大事に飲む」という。そんな素朴そうなところが隊員たちの“癒し”に繋がるのだろうか。
日中緊迫の折、防衛省によるこうした店への監視態勢も強化されているという。外国人妻の調査について、防衛省広報に話を聞いた。
「防衛省では自衛官の家族構成などについて、調査をしております。身内に外国籍の配偶者がいる自衛官については、人事面を考慮することもあります」
※週刊ポスト2013年4月19日号