4月に入り、春の陽気を感じる日も増えつつある中、隣国・中国からやってくる商品たちにも「静かなる衣替え」が進んでいる。
ホームセンターなどで、商品タグやバーコード周りに書かれた原産国表示を見ていくと、「メイド・イン・PRC」と表示されているものが目につく。
PRCとは中華人民共和国の英文名「People’s Republic of China」の略。つまり、おなじみの「メイド・イン・チャイナ」と何ら変わらないわけだが、どうして、わざわざ分かりにくい表記をしているのか。
中国企業に詳しい在中ジャーナリストが語る。
「古くは毒入り餃子事件などもあり、もともと日本人の中国製品に対する信頼は限りなく低かった。そこに尖閣諸島やPM2.5の問題が起きたから、今や『メイド・イン・チャイナ』のイメージは過去最悪です。その中で自社製品の売り上げへの影響を少しでも軽くしたいと考える中国企業の窮余の策なのでしょう」
当の中国企業はどう考えているのか。日本企業から商品の生産委託を受けているという中国企業の幹部に話を聞いた。
「アメリカをUSAと書くのと同じ。どっちも中国っていう意味だけど、PRCのほうがちょっとカッコいいだろ? 特別な意味なんてないよ。えっ? 売り上げ? 変えたら伸びたね」
※週刊ポスト2013年4月19日号