格差社会といわれる昨今、妻や子供たちの間にも、「ママカースト」や「クラスカースト」といった序列が存在するのを、世のお父さん方はご存じだろうか。
中堅サラリーマンの夫を持つ都内在住の専業主婦Aさん(30代)は、小学校に通う子供の新学期のクラス替えの後、母親同士の集まりに誘われた。だが、それは“罠”だった。
「“上位ランク”のお母さんたちに誘われたんですが、場所はランチで会費8000円という高級レストラン。私にはそんなお金の余裕はないので断わるしかありません。彼女たちはそれを承知の上で、私の困った様子を見て楽しんでいるんです。お茶をしにいこうと誘われて、それなら行けると思って付いていったら、お茶とケーキだけで2000円以上もかかる高級ホテルの喫茶店だった。もちろんわざとです」(Aさん)
彼女を苦しめた「ママ友」同士の格差──父親がほとんど知ることのない妻の人間関係だが、そこにおける“ポジション”は、実は父親の年収や職業で決まってしまうのが現実なのだ。ママ友事情に詳しいジャーナリストの白河桃子氏がいう。
「ママ友の序列は、夫の職業や収入、乗っている車、ブランド品などの持ち物、住んでいる家、同じ持ち家でも頭金をどれだけ払ったかなど、あらゆる差異が階層化の理由になります。さらに怖いのは、こうした“ママカースト”が、子供たちの学校内での序列、いわゆる“スクールカースト”に影響を与える恐れもある」
※週刊ポスト2013年4月26日号