昨今は格差社会になったといわれているが、妻たちの間にも「ママカースト」が存在している。多くは夫の職業や収入で階層が決められているというが、その格付けには、目に見えない意外な“指標”もある。ママカーストに詳しい作家の石川結貴氏が指摘する。
「生活の仕方がブランド品や高級車で判断できるというのは古い考えで、今は子供にどんな食事をさせるかもポイントになる。ママ友同士の会話で、どこで食品を買っているかが話題になり、それが格付けのヒントになります。
例えば『うちはいつも契約農家から無農薬野菜を取り寄せてるの』といわれると、家計にそれだけ余裕があることがわかる。子供に無農薬野菜を食べさせたりすることが階層の判断材料になるんです。無農薬や無添加食材は高いですから」
子供の場合も、食べ物が上下関係に影響するようだ。高校生の男子をもつFさん(50代・パート)の話。
「うちは家族でラーメン屋に行くと、もったいないから子供には餃子を注文させません。ところがお金持ちの家の息子さんは学校帰りにラーメン屋に寄ると、その子はラーメンだけでなく、いつも餃子とデザートまでつける。うちの子はお小遣いも少ないので、ラーメンしか頼まず、友達に餃子を分けてもらっているそうです。
話を聞くと、息子はその子のジュースを買いに行くなど自ら“パシリ”役になっている。恥ずかしいやら、情けないやら……。でも、夫にはいえません」
ちなみに、「ファミレスに入ってドリンクバーを頼まないとカーストが下がる、というのはママカーストとクラスカーストに共通するルール」(ママ友事情に詳しいジャーナリストの大屋敷未世子氏)だという。その分のわずかな小遣いを父親が出すか出さないかが、妻や子のカーストを左右する。
※週刊ポスト2013年4月26日号