男性にプレゼントをねだったり、繰り返し食事を奢ってもらったりする女性たち景気がいい時代の売れっ子ホステスか、合コン荒らしの武勇伝か。さにあらず、最近では正社員やパート、アルバイトなどの話だ。給料が安く生活が苦しいために奢られなければ生きていけない“貧困女子”が急増しているという。その生態を追った。
貧困女子を自認するA美さん(28歳)に「どんな男がタカりやすいか」を聞いてみた。「狙い目は自衛官とか警察官、そして消防士ですね」
コンビニと飲食店のバイトを2つ掛け持ちしている彼女は、「危険な状況で体を張って働く男性たち」(A美)に奢ってもらうことが多いという。
「ただでさえ職場に女性が少ないから、上手く仲間内に潜り込めさえすれば、競争率は低く、美人じゃなくてもモテるんです。以前、付き合ってもいない自衛官に『掃除機が欲しいんですよね』と言ったら、翌日に新品をプレゼントしてくれました」(A美)
そんな彼女たちの“手口”は、生活がかかっているだけに巧みだ。
離婚後は自宅にあった小麦粉を練って作ったすいとんで食いつなぐほど困窮したというB子さん(25歳)はこんなテクニックを駆使している。
「奢ってもらう時はたとえ缶コーヒー1本でも『わぁ、すっごく嬉しい! ありがとう!』とキャッキャしながら大げさに喜ぶ。ガム1枚でも『ちょうど食べたかったんだ!』なんて。本当は食べたくなくてもね。すると男は『こんな安いもので喜んでくれるんだ』と嬉しくなって、『もっと喜ばせたい』と思うようになる。そのうち、段々と高いものを奢ってもらえるようになるよ。物々交換じゃないけど、私は“わらしべ長者法”って呼んでます」(B子)
さらに、「末永く奢ってもらうために、食事はわざと安い店を選ぶのがコツ」だという。食事やプレゼントの単価が安ければ、後で男に恨まれるリスクも軽減できる。
当然ながら、奢った見返りを要求してくる男もいる。別の貧困女子C子は「アドレス交換はしても会うのは3回が限度」と言う。それ以上会うと、しつこく関係を迫られることになるからだ。早々に援助交際を持ちかけてくる男もいるが「『私は1回15万円です~』なんて吹っかけると、やる気がないんだと思われて、だいたいは引いていく」(C子)という。
※SAPIO2013年5月号