世界的に著名なノルウェー人フォトグラファー、ペッター・ヘグレ氏。彼は、女性の下腹部をアルファベットの「Y」に見立てた女性器アートの作品群で稼ぎ出した報酬によって、スペインのリゾート地に1200平米の広大な邸宅を手にした。日本円にして8億円は下らない価値を持つといわれている。
ヘグレ氏の主宰するインターネットサイトは、世界中に数十万人の会員を抱えており、37か国で発売される季刊誌『Photo Icon』は世界最大の写真雑誌のひとつとされる。
若い女性たちのナチュラルな姿を切り取るヌード作品に定評があるヘグレ氏だが、彼の天気となったのが、12年前に発表したアート作品「Yプロジェクト」である。これは18歳から80歳まで、多種多様な国籍・人種の20名の女性たちの下腹部を接写した写真作品。プロジェクトの名の通り、アルファベットの「Y」のように見える。
ヘグレ氏は、4月30日に発売された『週刊ポスト』(2013年5月17日号)のインタビューで、創作の意図について、こう語っている。
「多くの女性たちは自らの性器にコンプレックスを持っている。しかしそれは間違った考えだ。女性の性器にはいろいろな大きさや形があり、それらはすべて美しい。そのことを伝えたかった。
陰部の形にフォーカスを当てるため、モデルたちには陰毛をすべて剃ってもらった。黒人女性を含む様々な肌の色の女性がモデルになっているが、あえて肌の色を白く統一し、女性器の特徴が分かるように写真を加工している。
大変だったのは、モデルの女性たちの理解を得ることだった。彼女たちは最初は疑心暗鬼だったが、“女性器を性的な対象とはとらえようとしていない”と作品の主旨を丁寧に説明することで、私は彼女たちの心を開かせた。これは、男性の興奮を喚起するような意味で作った作品ではないんだ。本質を見誤らせないため、私はこの作品をいかに性的でないように撮影するかに大きな注意を払った」(ヘグレ氏。『週刊ポスト』インタビューより)
同誌では、「Yプロジェクト」の創作現場とともに、その作品群の写真も掲載している。