中国の傍若無人な“海賊”ぶりは尖閣諸島周辺海域だけではない。日本の海が広範囲にわたって汚染されている。東海大学海洋学部教授の山田吉彦氏が、中国による海洋汚染の実態と日本への影響をリポートする。
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中国海域の激しい汚染は、中国漁船の東シナ海における乱獲を生み出し、日本の漁場もまた乱獲の場となっている。
東シナ海の日中境界線付近では100トンクラスの漁船が700隻もの群れをなして漁を行なっているのだ。
日本のメディアではほとんど報じられることはないが、毎年、台風の季節になると長崎県五島列島の玉之浦という湾に中国漁船100~200隻が進入する。それらは、東シナ海上を乱獲しながら南下し、台風避難を口実に、意図的に日本海域に航行してくるのだ。
日本側海域での漁は禁止されているが、日本側は監視をしていないため、乱獲の実態は把握できていない。日本側は、相互の救助義務によって中国漁船の停泊を認めざるを得ないのだが、停泊中、100隻、3000名にものぼる中国漁民のゴミや糞尿は垂れ流しで、それもまた五島列島の海を汚している。
※SAPIO2013年5月号