国内

朝鮮総連本部落札の最福寺 買い取り断念の裏にアメリカの影

 安倍内閣は国内では発足以来高支持率を維持するだが、アメリカからは厳しい視線を向けられている。安倍首相の歴史観などで米メディアから批判を受けたり、2月の日米首脳会談ではオバマ大統領から冷淡な扱いを受けた。 オバマ政権の安倍首相への牽制はその後も続く。

 日本の旧朝鮮総連本部ビルの競売で、いったん落札した鹿児島市の宗教法人「最福寺」が買い取りを断念した裏にも、米国の影がちらついている。

「最福寺はいったん買収した施設を再び朝鮮総連に使わせる姿勢で、北との交渉再開を探っている安倍官邸もその取引を黙認していた。ところが、そんな安倍政権のやりかたに米国から横やりが入り、銀行融資も全部ストップした」(拉致議連関係者)

 まさにこのタイミングで「安倍首相の歴史認識は米国の国益を害する恐れがある」との米議会報告書が出されたことを含めて、安倍首相の後ろで“スカートを踏んでいる”のはオバマ大統領その人である可能性があるのだ。与党幹部もそれを感じ取り以下のように語る。

「今のところはG7会合でも円安を容認されているが、重要なのはいつ風向きが変わるか。オバマ大統領の最大の支持基盤である全米自動車労組は、リコール問題で痛めつけたはずのトヨタが生産台数首位に返り咲くなど、アベノミクスによる日本の自動車産業復活に警戒を強めており、ウォール街も円安の容認ラインは1ドル=100円と考えている。

 安倍政権としては参院選が終わるまでは円安、株高を維持したいが、参院選直前のタイミングで米国が“円安是正”に動けば株価は急落しかねない。

 国民のアベノミクスへの期待もしぼみ、参院選の勢いが止まってしまう。米国がナショナリストの安倍総理をこれ以上、大勝ちさせないためにそれを仕掛けてくるかもしれないという不安がある」

※週刊ポスト2013年5月31日号

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