5月に入ってから出産にまつわる大きなニュースがあった。厚生労働省の研究班が不妊治療への補助を、39才で打ち切ることを検討していると報じられたのだ。
現在、不妊治療には公的な補助がある。条件は「夫婦合算で730万円まで」の収入の人には、「1年につき2回(初年度は3回)、計10回まで、治療1回あたり15万円を支給する」というもの。年齢に制限はなく、現在、補助を受けて不妊治療を受ける女性の35・7%は40代以上だ。
ちなみに、NPO法人Fine~過去・現在・未来の不妊体験者を支援する会~の松本亜樹子さんによると、体外受精にかかる費用は1回につき平均40万~50万円。卵子に直接、精子を注入して受精させる顕微授精となると、施設によっては1回100万円ほどかかるところもあるという。不妊治療にかける総額が1000万円を超える人もいるというから、補助のありがたみがよくわかる。
そこへ、「39才まで」という規定を設けようというのが今回の案。その理由は、「40才を超えると妊娠の確率ががくんと減るから」という医学的見地によるものだという。
厚労省研究班の代表を務めた慶應義塾大学医学部の吉村泰典教授は、
「それ以上の年齢のかたがたを切り捨てるということではなくて、もっと早いうちに、ということなんです。医学的に妊娠の適齢期は25才から35才ということがわかっているのですから」と、その意図を説明する。
※女性セブン2013年5月30日号