アニメの映像とともに心に響くのが主題歌。何年経っても歌えるから不思議。誰もが一度は聞いたことのある“あの声”の持ち主・大杉久美子さん(61才)。
水木一郎、ささきいさお、堀江美都子とともに“アニソン四天王”のひとりと称される大杉さんは、アニソンデビュー当時を振り返る。
「『アタックNo.1』(1969年)を歌ったのは18才のときでした。そのとき通っていた音楽教室の先生にオーディションに出てみないかと言われて。現場に行くと、作曲家の渡辺岳夫先生がいらして。先生がとっても厳しくて“もっと声出して!”って言われ続けて、ついには非常階段に連れていかれて“ここで声出してごらんなさい!”って。世の中にはこんな怖い人がいるんだなと(笑い)」
安心したのも束の間、今度は、女の子だから涙が流れるという歴史に残る名セリフの録音が待っていた。
「あれも苦労しました。演技の経験なんてないのでホントに難しくて。“ヘタだねぇ”“なんか違うんだよなぁ”って渡辺先生にはっきり言われるんです。本当に涙が出ちゃうような心境で“だけど、なんで私がこんな目に遭うの!?”って言いたかった(笑い)。そんな思いがにじみ出たのか、実際に聞いて見ると“だけど”の部分は怒っているように聞こえます(笑い)」
※女性セブン2013年5月30日号