女子プロゴルファー・岡本綾子が連載中の日経新聞「私の履歴書」が、あっけらかんとした書きぶりで話題となっている。
特にゴルフ関係者が注目しているのが、“大物先輩プロ”との関係。
「不仲を噂される樋口久子についての記述にはトゲを感じますね」(ベテランゴルフジャーナリスト)
例えば、こんな感じだ。
<(プロ初勝利の)その試合はギャラリーもロープ内に入れ、ケガで欠場した小林法子さんが樋口さん、大迫(たつ子)さんと並んで、私の5、6歩先を歩いていた。すると樋口さんが聞こえよがしに、2人に「岡本って、飛ぶ、飛ぶと言われるけど(大迫)たっちゃんより飛ばないじゃん」。これも駆け引きの一つなのだろうが、ちょっとびっくりした>
<ホールアウト後、「握手するところを撮らせて」と言われたが、樋口さんはカメラマンに向かって「嫌よ、なんで握手しなきゃいけないのよ」。結局、握手を交わすのだが、あの言葉は強く印象に残っている>
たしかに、冷静な文体が逆に確執の深さを感じさせる。
「岡本がプロデビューした1975年当時、樋口は9年連続賞金女王の独走状態でした。そこに岡本が登場し、圧倒的な飛距離を武器に樋口の存在を脅かすようになったんです。そんな岡本が樋口一派の陰湿なイジメに遭っていたのは有名な話で、彼女は嫌気が差して米女子ツアーに逃げ出したといわれています」(同前)
岡本は1981年に米ツアーに初参戦すると、1年を通して米国でプレーしたいと強く思ったという。しかし、ここでも樋口との因縁が。
<(同年)10月に(女子プロ)協会に休会届を提出すると「アヤコは日本を捨てた」とマスコミに取り沙汰され、すったもんだ。(中略)酒席で知人の週刊誌記者に「米国を見てきた口さんも、日本の協会の発展のためにもっといろいろやるべきだ」といった内容のことをオフレコのつもりで話したら、協会批判記事となって騒ぎにますます火が付いた>
連載の今後の焦点は、協会の会長職をめぐる騒動だ。
「2011年に役員定年を迎える樋口会長の後任問題が起きました。岡本を会長にという声が強かったが、樋口は小林浩美プロに“禅譲”。岡本が辞退したとの説もありますが、当時の真相をどう書くのか楽しみですね」(同前)
連載が終わる5月末までOBスレスレの“危険なショット”を期待したい。
※週刊ポスト2013年5月31日号