儚い与党時代を総括する対話集会を5月11日に開いた民主党。「公開大反省会」の触れ込みだったが、出席者が菅直人元首相、枝野幸男前経産相、長妻昭元厚労相では、自民党と官僚、そして招かれざる小沢一郎元幹事長の悪口大会に終始したのもむべなるかな。一方、その会に呼ばれなかった鳩山由紀夫元首相はというと……。
翌日、専修大学で行なわれた「国際アジア共同体学会春季シンポジウム」に出席していた。並み居る学者らを前に、特別記念挨拶に立ち、尖閣諸島に関しては「領土問題は存在しないという言葉自体が、相手を挑発している」と中国を援護。期待に違わぬ、“らしさ”を示した。
そしてその19分間にも及ぶ挨拶後、列席者に配り始めた名刺をみると、鳩山“友”紀夫の文字!? 実は昨年2月に「友愛への理解を深めるため」という理由で由紀夫から友紀夫へ改名することを表明しており、「東シナ海を、争いの海ではなく友愛の海に変える」(この日の挨拶より)との高尚な理想実現のため、有言実行なさったようだ。
いまだ「トラスト・ミー」の御仁。この人に「反省」の文字はなさそうだ。
撮影■渡辺利博
※週刊ポスト2013年5月31日号