「ラーメン屋の麺の原価は1玉40~50円」──そんな情報がネットなどで氾濫しているが、原材料原価だけではビジネスの全貌は見えてこない。原価とともに「利益の構造」を追った。ここでは回転寿司、ファミレス、ラーメンについて紹介する。
【回転寿司】
原価が高いネタのベスト3は、ウニ85円、マグロ75円、アナゴ65円。平均すれば原価は50%程度。ロボットが握る店では人件費は15%程度まで下がる。特徴的なのは減価償却費が大きいこと。「設備に1億円以上投資している。4年前後で回収するというのが基本的なビジネスモデル」(ビジネスリサーチ・ジャパンの鎌田正文代表)。減価償却が終われば営業利益率は跳ね上がる。
【ファミレス】
客を呼び込む重要なアイテムであるドリンクバーは200円程度の価格設定だが、「原価は1杯5~10円で、料金のほとんどは席代といってもいい。セルフだから人件費もかからない。子供にとってジュース飲み放題は夢のような世界。子供の要望で大人のリピート率が高くなる」(大手ファミレス社員)という。
【ラーメン】
「看板メニューのしょうゆ味は390円でも味噌味は100円高く設定している。安いしょうゆラーメンでコンスタントに客を呼び込み、メニューを見て価格の高いラーメンや餃子セットなどを注文してもらう戦略で利益を出している」(業界関係者)。「日高屋は“ちょっと一杯”の客も呼び込んで利益を出している。売り上げに占めるアルコール飲料の比率は14%にもなる」(前出・鎌田氏)
※SAPIO2013年6月号