中国には50を超える少数民族が居住する。中国共産党政府の凄まじい民族弾圧に屈することなく、抗議行動はますます激しくなっている。ジャーナリストの櫻井よしこ氏が、中国共産党の少数民族弾圧を受けるウイグルなどの状況についてリポートする。
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ウイグルでは毎年、14歳から25歳前後のウイグル人女性数万人が、故郷から遠く離れた大都市に連れて行かれます。彼女たちは寮生活をしながら不当に安い賃金で働かされます。その上、ウイグル語を禁じられ、生活習慣も変えられて、挙げ句の果てに漢民族の男と無理やり結婚させられるのです。ウイグル人男性は結婚相手を奪われることになります。ウイグルの血を先細りさせ、やがて途絶えさせるのが共産党の狙いだと見ていいでしょう。
チベットやウイグルでは、3人を超える集まりは、それがどれほど他愛のない平和的な集まりであっても罰せられます。学校の教室にはカメラが設置され、教師が民族の言語や文化について子供たちに教えないよう監視されています。新疆ウイグル自治区では街中の至るところに6万台もの監視カメラが設置されています。
さらにウイグルの人たちは核実験でも苦しめられてきました。2008年に『中国の核実験』(医療科学社)を出版した札幌医科大学教授の高田純氏によれば、1996年までの約30年間にウイグル自治区のロプノルで46回の核実験が行なわれ、その影響で少なくとも19万人以上が死亡しました。
内モンゴルにも1980年代から漢民族が大量に入植し、少数民族の消滅が図られてきました。最近では炭鉱開発により、石炭を運ぶトラックが大量に走り回り、汚水が垂れ流されて環境破壊が深刻化しています。
※SAPIO2013年6月号