上方落語の重鎮・笑福亭仁鶴(76才)の妻・岡本隆子さん。かつては芸人として吉本新喜劇で活躍。結婚後も、テレビ、ラジオに司会者として出演し“たか子姫”の愛称で人気を呼んだ。そんな岡本さんが、エッセイ『そこのけそこのけ仁鶴の女房が通る』(ヨシモトブックス)を出版。岡本さんが、夫・仁鶴について語った。
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とにかく家が好きなんです。男の人の持ってる帰巣本能というんですかね。漫画で『コボちゃん』ってありますけど、ずっと家にこびりつくからコビちゃんって呼んでたこともあります。
例えば神奈川で夜に仕事があったとして、次の日が東京で仕事やったら普通そのまま行くでしょう。それが、最終便の新幹線で大阪に帰ってくるんです。それでまた翌日の朝早く出かける。私たまらんですよね(笑い)。
これは私に会いたいとかじゃないんです。ホンマに家が好きなんです。だから、泊まりの仕事はあまりやりたがらない。それでいつもマネジャーさんを困らせています。
四国の愛媛・松山あたりだと、飛行機がなくなっても途中までタクシーで乗り継いで、広島までとか来れるところまでなんとかやってきて、そこからまたタクシーで乗り継いで帰ってくるんです。タクシー代もバカにならないですわ。
大阪におるときでもですよ。午前中にラジオの収録が終わって、次の劇場の出番が昼過ぎにあって、20分しか家にいられなくても帰ってくる。
そんなんやから、私は近所の友達とのランチも行かれへんのです。一応、機嫌良さげに出迎えはするんですけど、ガレージが開く音聞いて、私は“ちっ!”って舌打ちしてます(笑い)。
※女性セブン2013年6月13日号