6月8日、AKB48の選抜総選挙が開催される。昨年もゴールデンタイムに中継したフジテレビが、今年は4時間40分と放送時間を2倍以上に拡大。かなりの長時間放送となるが、その背景には昨今のテレビ番組事情が見え隠れするという。テレビ局関係者が語る。
「昔は、スペシャル放送といえば春秋の改編期くらいで、4時間を超えるものなんてまずありませんでした。それが最近、時期に関わらず、とにかくスペシャル放送が目白押しになっている。
なぜか? このところ時間を長くすればするほど、視聴率がついてくる傾向があるんです。だから、改編期でもないのに、1時間のレギュラー番組を2時間スペシャルにするケースが目立っている。単純に視聴者が目にする機会が2倍になりますし、実際に数字が上がっているんです。スペシャルにして、通常の1時間放送より数字が下がったケースは、よほど普段から高視聴率の番組以外、まずない。
AKB48選抜総選挙を4時間40分にわたって放送するのも、高視聴率が狙えるという目論見があるのでしょう。一般的な考え方としては、下位のメンバーには名前も知らない人も多いし、人気メンバーが出揃う20位くらいからの中継でもいいんじゃないかと思われがちですが、そうやって短い時間で終わらせるよりも、長時間にしたほうが都合がいいのです」
AKB48選抜総選挙の裏番組に目をやると、各局とも2時間以上のスペシャルを組んでいたのも象徴的だった。
「各局とも、この日はAKBの総選挙が視聴率を持っていくと考えていたのはないでしょうか。だからこそ、視聴率を取りやすくなる長時間番組にして対抗を試みたのでしょう。
ザッピング全盛の今、チャンネルを1回も変えずにAKBの総選挙を観る人はほとんどいないでしょう。となれば、通常の1時間番組よりも2時間スペシャルにしたほうが、目に止まる機会が多くなり、トータルの視聴率は良くなるんです。
その証拠に、サッカー日本代表がW杯出場を決めたオーストラリア戦のときも、裏番組は2時間スペシャルばかりでした」(同前)
長時間番組のトレンドはまだまだ続くか。