「この食品、中国産ですか?」――今、消費者からのこんな問い合わせがメーカー各社に殺到しているという。それというのも、ここ数か月、中国で恐ろしい“毒食事件”が続き、現地での食品の安全性に対するモラルの低さが改めて取り沙汰されているためだ。
衝撃的だったのは、この春、上海市を流れる川で1万頭もの豚の死骸が漂着した事件。豚の死骸で汚染された水が、野菜の栽培や加工品の製造に使われているとしたら、誰も口にしたくないだろう。
中国食品事情に詳しいジャーナリストの椎名玲さんは、この事件が中国のモラル意識を表す象徴的な例だと言う。
「病気で死んだ豚や鶏は流通させないのが日本における当然のルールですが、中国では闇で買い取る業者がいるので、流通してしまう。今回、豚が川に投棄されたのは、国による流通管理が厳しくなり、病死した豚を闇ルートでも売れなくなったため。埋める処理をするにもお金がかかるので、養豚農家が川へ捨てたとされています」
中国では利益第一で、食品衛生など顧みない人が実に多いのだという。
※女性セブン2013年6月27日号