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安倍晋三首相 復活劇のウラに“月1”で行ってきた修行あり

 わずか1年で退陣したときには「無責任」と批判の声も強かった。それから5年。昨年12月の政権発足から安倍晋三首相(58才)の支持率は最高で70%を超えた。この復活劇のウラには、彼が“月1”で行ってきた意外な修行があった。

「自分は政治家としてやっていけるという自信。それまで抱いていた自信も誇りも、粉々に砕け散りました」

 安倍首相は、雑誌のインタビューで5年前の総理辞任後の心境についてこう語った。第1次政権時代の2007年9月、所信表明から2日後、突如、記者会見を開いて辞任を表明。「政権投げだし」「無責任すぎる」と批判を受けた。

 すっかり自信喪失をしたときに出合ったのが禅だった。友人の山本有二衆院予算委員長の勧めで禅の道へ足を踏み入れた安倍首相。その時、訪れたのが東京・谷中にある禅寺、全生庵だった。当時の様子を全生庵の住職・平井正修さん(45才)が次のように振り返る。

「首相を辞任してから半年ほど経ってからでしょうか。以前からこちらに来ていた山本さんや経済産業省のOBのかたと一緒に来られました。その時、“心を落ち着かせたい”と座禅を組まれて、私のほうからもいくつか禅にまつわるお話をしました。それ以来、月に1回来られるようになりましたね」(平井さん・以下同)

 現政権で首相に就任してからは4月13日、北朝鮮の弾道ミサイル発射の警戒が強まるなか、全生庵におもむき、約1時間、座禅を組んだ。

 平井さんは最近の安倍首相の姿には、以前に比べ姿勢がよくなり、自信を持っているように感じられるという。実際、アベノミクス、TPP交渉、外交問題などさまざまな課題を抱えながらも、その言葉や表情は自信に満ちている。

 どん底にいた安倍首相の復活を支えた座禅とはいったいどのようなものなのか。どのように首相の心に響いたのか。まず、座禅は禅の基本と平井さんは語る。

「人間の心は本来落ち着いているものなんです。けれど自分で自分の心を引っかき回してしまう。人間関係、将来のことが不安になってしまうのも、自分で自分を追いつめてしまうから。もちろん苦しめられた原因は外的なものかもしれませんが、そこから先、不安になっていくのは、自分で勝手に妄想して、あれこれ考えてしまうから。それをいったん、リセットして本来の自分に戻すのには座禅を組むのがいいんです」

 とはいえ、座禅はリラックスするためにするものではない。

「リラックスするなら温泉にいったほうがよほどいいわけでしょう。自分と向き合い、本来の姿を取り戻すには自分の体と心にある程度の緊張感を持たせたほうがよいのです。座禅をやる上で大切なことは『調身』『調息』『調心』といい、これは姿勢と呼吸を整え、心も整えていきましょうという考えです。これによって本来の姿に戻していくのです」

 安倍首相は全生庵の本堂で1時間、座禅を組む。静寂に包まれる雰囲気のなかで自然と心が整っていくようだ。

※女性セブン2013年6月27日号

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