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「秋篠宮摂政論」に皇室事情通「最も現実的な選択肢」と評価

 去る6月9日、皇太子殿下と雅子妃が成婚20年を迎えた際、両殿下は文書で発表した「ご感想」の中で次のように述べた。

「雅子につきましては、療養が長くなり、ご心配をいただいていることと思いますが、お陰様で、以前と比べ大分元気になったように思います」

 当日のテレビ報道の多くは、雅子妃が11年振りの海外公式訪問となるオランダ訪問(新国王即位式への参列)を果たしたことなどを取り上げ、回復ぶりを強調した。

 だが、宮内庁周辺にはその祝賀ムードとは裏腹の動きがあると、宮内庁関係者が明かす。

「実は宮内庁内部や一部の宮家関係者などの間で、将来、両殿下が天皇皇后になられた際、雅子妃の公務負担を軽減するため、秋篠宮殿下に摂政に就任していただくべきだとする意見が出ているのです」

 皇室に詳しいジャーナリストは、その背景をこう説明する。

「オランダから帰国後、期待された雅子妃の公務による外出がただ一度に限られ(故寬仁親王喪儀墓所一周年祭の儀に参列)、被災地訪問の計画も先行き不透明な状況から、やはりご病状の回復はなかなか難しいという認識がある。その一方、精力的に公務に励まれる秋篠宮ご夫妻の存在感が、必然的に高まっている」

 そうした現状を背景に浮上したのが「秋篠宮摂政論」である。皇室制度に関する有識者ヒアリングに出席するなど、皇室に詳しい八木秀次・高崎経済大学教授は、「いま考えられる最も現実的な選択肢だ」と評価する。

「宮内庁内で検討課題になっていなければおかしい話ですが、これまでは選択肢の一つとして話すこと自体、タブーとされてきました。しかし、いまやこれに関する議論を避けてはいけない。

 歴史上、天皇皇后両陛下が一緒に行動することは必須ではありませんでしたが、その当時の皇后のお務めを果たしていた。たとえば香淳皇后も、昭和天皇の巡幸や外国からの国賓を招いた晩餐会のときには同席されることがほとんどでした。

 まして平成においては皇后陛下の存在感は増し、被災地などへ両陛下揃ってのご公務というスタイルが定着し、国民から支持されています。だとすれば、雅子妃が療養を続けたまま皇太子殿下が天皇に即位された時、ご夫妻が十分に天皇皇后としてお務めできるだろうか、という懸念が国民から出てくるのは当然です。そのとき、秋篠宮殿下が摂政としてサポートできれば、状況はずいぶん改善されるのではないか」

 例えば、ある国にはご夫妻で訪問するのに、別の国にはおひとりで訪問するとなれば、相手国から見れば不公平との憶測も呼びかねない。実際、皇太子夫妻でのオランダ訪問後、皇太子の単独訪問となったスペインのメディアは、「皇太子はまた一人になった」「雅子妃は再び檻に戻り悲しんでいる」(エルパイス紙)などと書き連ねた。

「代わりに秋篠宮ご夫妻が訪問したとしても、一宮家の立場だと格が下がってしまう。しかし、摂政宮とその妃という立場ならば重みが生まれ、相手国の受け止め方も変わってくるはずです」(前出・八木氏)

※週刊ポスト2013年6月28日号

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