混迷を続ける日本政治を憂い、村上正邦氏(元自民)、矢野絢也氏(元公明)、平野貞夫氏(元民主)、筆坂秀世氏(元共産)という4人の“賢人”が集まった。長年の経験としがらみのない立場だからこそ語れる、歯に衣着せぬ大放談。7月に迫った参議院選挙について意見をぶつけ合った。
筆坂:僕は比例でしか当選はないが、いま考えると、比例代表制を導入したことは良くなかったなと思うんだよね。最近の維新の候補者選びを見るとさ、なんだいあの赤いの……。
──アントニオ猪木?
筆坂:そう。野党はもっと真面目に候補者選べよ! まあとにかく参院選は争点がなくなってしまったからね。争点ていうのは対立する政党があるから成り立つわけで、自民党が勝つとわかってる選挙では争点なんかない。かろうじてあるのは、安倍政権の信任投票という側面と、まだ審判を受けていない参院民主党が審判を受けるという2つくらい。
村上:審判といっても、判断材料がないじゃないか。
筆坂:いや、民主党はもういりませんという審判ですよ(笑い)。
矢野 だめだこりゃ。
──それなら参院選をやる価値があるのかという。
平野:それはまた別!
村上:いいや、参院選なんてやる必要ない!(一同爆笑)。お金かけてわざわざやる必要ないでしょ。争点がないんだから。それに、いまの国会議員なんて何にもできないんだから、やっぱり「賢人会」を集めてだな。
筆坂:賢人って(笑い)。そんなのこの世にいないよ。
村上:じゃあ有識者でいいから入れてくれ!
──では、宴もたけなわではございますが……。
村上:楽しくなってきたところなのに。この会、来週またやろうよ! このままじゃ本当に死にきれないよ(一同爆笑)。
【むらかみ・まさくに】1932年生まれ。1980年に参議院議員初当選。自民党国対委員長、労働大臣、参議院自民党幹事長、参議院議員会長を歴任した。
【やの・じゅんや】1932年生まれ。公明党立党に参加し、1967年に衆議院議員に初当選。公明党書記長、委員長、最高顧問を歴任。
【ふでさか・ひでよ】1948年生まれ。日本共産党入党後、1995年に参議院議員初当選。党中央委員会常任幹部会委員、書記長代行などを務めた。
【ひらの・さだお】1935年生まれ。衆議院事務局に務めた後、1992年に参議院議員初当選。自民党、新進党、自由党、民主党を渡り歩いた。
※週刊ポスト2013年6月28日号