近代化著しい中国人民解放軍。果たして自衛隊の装備と比較してどちらが上なのか。軍事ジャーナリストの竹内修氏が解説する。ここでは“空軍”を比較する。
【戦闘機】
航空自衛隊の主力戦闘機F-15と中国空軍の主力戦闘機Su-27は、速度や運動性、兵装搭載量もほぼ同じで実力は拮抗している。200機あるF-15のうち、レーダー探知能力を上げ、より高性能なミサイルを搭載するなどの改修を施せる比較的新しい機は100機程度。一方、改修されたF-15と同レベルのSu-27は現在120機程度で、今後さらに増える可能性がある。
【フォースマルチプライヤー】
航空機の戦力を増大させる装備のことで、早期警戒管制機(AWACS)、空中給油機などが相当する。これに関しては自衛隊が圧倒的に上だ。
自衛隊の早期警戒管制機E-767(4機配備)は、世界トップクラスの精密な探知能力を持ち、現在、日本だけが運用している。それに比べると、自国製のレーダーを積んだ中国のKJ-2000はレーダー探知能力が低い。
自衛隊の空中給油機KC-767(4機配備)は給油できる量が多く、しかもF-15、F-2(主力多用途戦闘機)、将来の配備が予定されるステルス戦闘機F-35のどれにも給油できる。それに対して中国のHY-6は、旧ソ連製の古い爆撃機を改造したもので、給油できる量はさほど多くなく、給油バルブの形状からSu-27やSu-30(戦闘攻撃機)に給油できないという大きな欠点がある。
※SAPIO2013年7月号