「本当にやんなっちゃいますよ。直属の女性上司(41才)が“昨日の夜はどうだった?”って、毎日のように彼女とのHについて聞いてくるんです…」
そう打ち明けるのは、電機メーカーに勤めるある男性社員(25才)。この女性上司からは、ふたりきりの飲み会に“強制連行”されることもしばしばで、その度に性生活を根掘り葉掘り聞かれて精神的に参っているという。
今、こうした女性上司からの「逆セクハラ」に悩む男性が急増しているという。2012年度、全国から厚生労働省に寄せられたセクハラ相談件数は、女性が5838件だった一方で、男性からも549件の相談があった。女性からの相談が10~60代まで幅広いのに対し、男性は20代が圧倒的に多いという。
男女雇用機会均等法の改正で、女性への性的嫌がらせについて、企業側に「雇用管理上の配慮」が求められたのは1997年のこと。この16年で時代は大きく様変わりしたようだ。
労働問題に詳しい戸塚美砂弁護士は2011年、22~39才の男性2666人にアンケート調査を実施している。
この時、「職場で女性の上司や先輩から不快な思いをさせられたと感じたことはあるか」との質問に「ある」と答えたのは全体の25%にあたる約600人。
「実に4人に1人の男性がセクハラ被害の経験があったことがわかったんです。しかも、『女性からセクハラを受けていることを公に言える社会環境だと思うか?』という質問には、75%がNOという答えでした。つまり“男性へのセクハラもありうる”という認識が、まだ社会全体に浸透していないんです」(戸塚弁護士)
被害を受けたという男性の被害内容を見ると、「卑猥な内容の話を聞かされたり、卑猥な行動を見せられた」が10%、「食事、デート、旅行、酒席などにしつこく誘われた」が7.2%、「性的関係を強要された、また誘いを受けた」が3.8%という結果だった。
※女性セブン2013年7月18日号