48才の主婦、Aさんは最近、スーパーに行ってある変化に気づいた。
「前は夕方に行くと『20%引き』『30%引き』の値引きシールが多かった刺身パックが、最近は『150円引き』という表示に変わっていたんです。刺身は元値が高いので、これは巧妙な値上げ。ティッシュ箱も、最近なんかコンパクトになったな~って思って箱の裏の表示を見ると、『小さめサイズで地球に優しい』として、1枚当たりの大きさが横幅231mmから195mmに小さくなっていました。値段はほとんど変わっていないのに…」
内容量を減らす商品は後を絶たない。例えば日本ハムは、ハムやソーセージなどの加工食品151品目を、内容量を減らす形で実質5~11%値上げすると発表。
「消費者のかたがお求めやすい価格というものがあると考え、単純な値上げは避けて、ソーセージの『シャウエッセン』なら本数を変えずに1本あたり1~2g減、1袋138gから127gという形で価格変更させていただいています」(日本ハム広報)
確かに単純な値上げをするよりは、いくらか家計に優しいのは事実だけど…。
「例えばある洗濯洗剤は、かつては1.1kgだったのが1kgに。今は0.9kgになっています。パッケージをリニューアルする時に合わせて内容量を減らすという戦法は、前からありましたが、最近は特に増えていますね」(丸山さん)
こうした、一見してすぐにはわからない微妙な値上げを見破るには、どうしたらいいか? 家計再生コンサルタントでファイナンシャルプランナーの横山光昭さんはこうアドバイスする。
「よく買う商品の“底値表”を作って、自分が納得する範囲を定めておきましょう。特売といっても、実は大して安くしていないお店もありますし、『○%引き』や『○円引き』など書いていても、肝心の量が減っていては、元も子もありません。だからこそ、単に値段を見て飛びつくのではなく、内容量との兼ね合いを見たうえで、判断しないといけないのです。
例えばトイレットペーパーだったら、何メートル巻きで何ロール入っているかをメモして、1メートル当たりの値段を出す。そうすれば、次に同じ商品を見た時に、『値段は同じだけど量が少ない』『値段は高いけど、実は1メートル当たりで考えると安い』などと気がつくことができる。自分がよく使う品物だけで済みますから、家計簿は無理だけど、底値表だけは作っているというかたは、意外といらっしゃいます」
※女性セブン2013年7月25日号